2026/03/18 13:45

ご依頼者は、M様。

M様のお母様が
娘であるM様のために誂えた
七五三の着物がありました。

その着物を解きほどき、リメイクして、いつか孫に着せようと準備されていた矢先
お母様は癌で亡くなられてしまいました。

大の着物好きだったお母様。
力が弱くなった手先で
孫の着姿を想像しながら
一針一針、丁寧に準備をされていたそうです。

けれど、その想いが形になる前に、その時間は止まってしまいました。

お裁縫があまり得意ではないというM様が、お母様の法事の際に「娘に着せたい」と、この着物をお持ちになられました。

大切なものを、当店にお任せくださり、本当にありがとうございます。

仕上がったワンピースを着たお孫さんの姿を、ぜひとも残したいと、ご実家では、おじいさまが屏風を準備して待っていてくださったそうです。
そのお写真を拝見し、屏風の前で待っていてくれたおじいさまの姿が、私自身の祖父と重なり、胸がいっぱいになりました。

このように、形を変えながら、想いを受け継いでいけること。
それが、着物リメイクの大きな魅力だと、私たちは思っています。

お洋服では、なかなか叶わない時間のつなぎ方。
着物にはそれができる力があります。
そのことを、改めて感じさせていただいたご依頼でした。