2026/04/29 19:58


皆様こんにちは。
工房たけ徳島です。

「藍染」と聞くと、
どれも同じように見えるかもしれません。
けれど、その中でも「阿波藍」は、
特別な存在として受け継がれてきました。
では、何が違うのでしょうか。

■ 阿波藍は“天然発酵”の染料
阿波藍は、タデ科の植物「藍」の葉を原料に、
「すくも」と呼ばれる発酵染料へと仕立てられます。
この工程には、温度や湿度、時間の管理が欠かせず、職人の経験と勘によって支えられています。

同じ工程を経ても、
まったく同じ状態になることはなく、
一つひとつ異なる染料が生まれます。

■ 同じ色が二度と出ない理由
阿波藍の色は、
単なる「青」ではありません。
光の当たり方や、重ね染めの回数、
その時の染料の状態によって、
微妙に異なる表情を見せます。
そのため、同じように見える製品でも、
厳密にはすべてが一点もの。
深みと揺らぎのある色合いは、
こうした背景から生まれています。

■ 手間と時間がつくる価値
当店の阿波藍着物リメイクは、効率よく量産できるものではありません。
着物をほどき、一から染め直す。
そうした工程も含め、原料づくりから発酵、染色に至るまで、多くの手間と時間が必要とされます。
一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることで、
はじめて、あの藍色のリメイクが生まれます。
同じものは二つとない、それぞれに表情を持った一着です。

■ 使い続けることで深まる色
阿波藍は、完成した瞬間が終わりではありません。
使い続けることで、
少しずつ色が落ち着き、
風合いが変化していきます。
その変化も含めて、
暮らしの中で育っていく色です。

■ 私たちが阿波藍を使い続ける理由
私たちは、阿波藍を使ったものづくりを通して、
その奥深さと魅力を日々感じています。
決して効率的とは言えない素材ですが、
それでも使い続けたいと思える理由が、
この藍にはあります。
阿波藍は、特別なものではなく、
日常の中で静かに寄り添う色。
その背景にある時間や手間も含めて、
感じていただけたら嬉しいです。

※ 画像は、ほどいた着物を一から染め直した本藍染めの仕上がりを手にした作家です。